「吉田神社」は、貞観元年(859年)に平安京の守護神として都の東北『鬼門』に位置する吉田山に創建されました。吉田山は東山三十六峰のひとつに数えられ、別名『神楽岡』とも称される神代より神霊の宿る場所として崇められ、災いを除き、幸福を勝ち取る神として長い歴史の中で篤く信仰されてきました。
吉田神社は節分厄除け詣りの発祥の社として知られ、例年2月2日~4日に行われる『節分祭』は全国的にも有名です。室町時代から続く伝統のあるお祭りで、期間中には大勢の参拝客が訪れます。
四季折々の花々が咲き誇る吉田山も魅力のひとつとなっています。
目次
京都大学すぐ側の「吉田神社」へ
有名な「京都大学」のすぐ側にある神社としても知られている吉田神社。地元の人だけでなく京大生の憩いの場にもなっているのではないでしょうか。
手水舎には幼稚園児の姿が見えました。吉田神社の境内には幼稚園があり、楽しく遊ぶ園児の様子も多く見られます。
いざ、境内へ。長い階段を登って行きます。段々と神聖な空気が流れてくるのを感じます。
繁華街から少し離れた場所にあるためか、人は少なめで、静かな境内。季節ごとに催される様々なお祭りや神事では賑やかな姿を見せます。
国歌「君が代」にも登場する「さざれ石」がありました。岐阜県の天然記念物に指定されており、こちらのさざれ石は岐阜県から奉納されたようです。
さざれ石の横には「神鹿」像がありました。吉田神社の祭神は奈良の「春日大社」から勧請したもので、それ故春日大社とは深い繋がりがあります。
春日大社では古くから鹿は”神の使い”として扱われていたことに起因し、当社でも神聖視されています。
訪れたのは夏のシーズンということもあり、紅葉はまだまだでした。四季によって様々な表情を見せる玉樹も吉田神社の魅力のひとつです。
吉田神社とその歴史
貞観元年(859年)の創建以来、吉田山の麓に鎮座し、京都を守護し続けてきました。
「藤原山蔭(ふじわらのやまかげ・平安時代の公卿)」が一門の氏神として奈良の春日大社を勧請したのが歴史の始まりとされ、「健御賀豆知命(たけみかづちのみこと)・伊波比主命(いはいぬしのみこと)・天之子八根命(あめのこやねのみこと)・比売神(ひめがみ)」の四神をご祭神としています。
第一殿・健御賀豆知命、第二殿・伊波比主命は厄除け・開運の神、第三殿・天之子八根命はは思慮深き学問の神、第四殿・比売神は女神として女性に特別なご神徳を授ける神といわれています。
また、第三殿、第四殿は夫婦神として、良縁や夫婦和合のご神徳も授けてくれます。
皇室からの崇敬極めて篤く、特に神官・吉田兼倶(よしだかねとも・室町時代の神道家)が吉田神道を創設してからは、神道界に絶大なる権威を得て隆盛を極めていました。
境内奥にある摂社・末社も見どころ
吉田神社には魅力的な摂社・末社(神社の境内にある小さな社)があります。その中でいくつかをご紹介します。
境内の南側にある道を進んでいきます。
左の鳥居をくぐった先にあるのは「菓祖神社」というお菓子の神様を祀る珍しいお社。
果物の祖と言われる橘を日本に持ち帰ったとされる「田道間守命(たぢまもりのみこと)」と、日本で初めて饅頭をつくったとされる「林浄因命(はやしじょういんのみこと)」の二神をお菓子の祖神として祀っています。京都を中心に多くの菓子業界の方々から信仰を集めております。
続いて、先ほどの道に戻り、右側の鳥居を進みます。
見えてきたのは「山蔭神社」。吉田神社を創建した藤原山蔭を神様としてお祀りしています。
創建に貢献しただけでなく、日本で初めてあらゆる食物を調理、調味づけたといわれ、古来より包丁の神・料理飲食の祖神として篤く信仰されています。
ここから眺める京都の町並みも見どころ。
更に奥へと進んでいくと、全国の神様をお祀りしているといわれる「斎場所大元宮」がありました。2月の節分祭はこの大元宮を中心に行われます。
珍しい八角形の形をした本殿の後ろには六角形の部屋があるという少し変わった構造。今日まで大切に保護され、重要文化財にも指定されています。
普段は入ることができない本殿ですが、月に1度、または節分祭やお正月の時には本殿が開放され、一般の方も参拝が可能になります。
八百万神を祀ることから、大元宮に参拝すれば全国の神々に詣でたのと同じとされ、様々なご利益を得ることができるそうです。
・・・さらに先へと登って行きます。
続いては商売繁盛のご利益を得ることができる「竹中稲荷社」。
創建年代や由緒の詳細は不明となっていますが、天長年間(824~834年)には存在したとの記述が残っており、貞観元年(859年)創建の吉田神社よりも古くからあったとされています。
御朱印
おすすめの周辺スポット
先ほどの竹中稲荷社を抜けたところに吉田山の癒しスポット「茂庵」がありました。
お店へのアプローチの小径は綺麗な木漏れ日が降り注いでいました。
大正時代に建てられたものらしく、趣があります。元々は茶の湯(茶道)の場として利用さ
れてきましたが、時を経た現代ではカフェとして運営しています。
ボリューム満点のカキ氷はカップルで食べるにはピッタリ。
窓からは京都の町見渡せるようにもなっていて、ゆっくりとした癒しの時間を過すことができます。
結婚式情報
京の守護神に見守られ執り行う格式高き結婚式
その昔、平安京の守護神として創建された吉田神社。朱色の鮮やかな本殿で斎行される結婚式は1日2組限定で、雅楽の演奏も行われ、人気の和婚神社でもあります。
夫婦神をお祀りしていることから、良縁・夫婦和合のご神徳があります。創建より千年の時をこえ、京の都に縁深い神社で格式高き結婚式を執り行います。
■吉田神社
〒606-8311
京都市左京区吉田神楽岡町30番地
TEL:075-771-3788
■参拝時間
24時間
■祈願受付
9:00~17:00
<車>
・名神高速京都東ICより約40分
<電車、バス>
・京阪電車「出町柳駅」下車後徒歩約20分
・四条方面より:市バス203系統「京大農学部前」下車後、徒歩約5分
・京都駅方面より:市バス206系統「京大正門前」下車後、徒歩約5分