大阪灘波にあるひときわ大きな獅子が目を引く風変わりな神社「灘波八阪神社」。大阪”ミナミ”の繁華街から少し歩くと、森閑とする神社が見えてきます。
社伝によると古来より難波神社を「難波上の宮」、難波八阪神社を「難波下の宮」と称し難波一帯の産土神として崇敬されていました。
一度見たら忘れられない程のインパクトを残す獅子殿があることでも有名ですね。大きく口を開けている獅子の頭の形をしたこの建物の正体は神事などで使われる舞台なんだとか。
現在では、外国人観光客はもちろんのこと、結婚式でも人気のあるスポットになっています。
落ち着いた雰囲気の境内
抜けるような青空の下、難波八阪神社を訪れました。
鳥居をくぐってすぐ左に獅子をかたどった手水舎があります。実は柄杓を近づけると自動的に水が出てくる仕組みに。
歩みを進めると絵馬掛所とおみくじ結び所が見えてきました。
外国の参拝者も多く、絵馬を書いたり、おみくじを引いたりして楽しんでいる方々の姿が見られました。
絵馬には可愛らしい獅子のイラストが描かれています。
創建年代を記した資料は消失してしまい、詳しくは不明とのこと。しかし、その歴史は古く、平安時代まで遡るそうで、この辺り一帯に疫病が蔓延した際に牛頭天王(ごずてんのう)がこれを治め、お祀りしたのが始まりといわれています。
元々は神仏混淆でしたが、明治維新後の神仏分離により寺は廃絶し、現在は素盞嗚尊(すさののみこと)・奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)・八柱御子命(やはしらみこのみこと)をご祭神とし、それらをお祀りしている神社となっています。
参拝の後にはおみくじを引いて運試し。
拝殿のすぐ隣にはおみくじを兼ねたお守りがたくさんおいてありました。縁起物の「だるまみくじ」をはじめとし、末広がりの「扇子みくじ」なども。
その他にも、「鯉」と「恋」をかけた良縁や恋愛成就の縁結びを占う「鯉みくじ」や、鯛の形をして「一年安泰(鯛)」とかけた「鯛みくじ」など、種類が豊富で楽しみながら占うことが出来ます。
神社で綱引き!?~八岐大蛇伝説~
毎年1月の第3日曜日に行われるのが、この神社伝統の「綱引神事」。
神社で綱引きをするのは全国的に珍しいのではないでしょうか?
難波八阪神社のこの特殊神事は江戸時代から続いており、平成13年(2001年)に大阪市としては初めての無形民俗文化財に指定されました。
明治時代の前半に一度途絶えたこともありましが、明治30年(1897年)に再び行われることになり、現在まで続いています。
起源は明確に分かっていませんが、ご祭神の素盞嗚尊が八岐大蛇(やまたのおろち)を退治し、民衆の困苦を除かれた故事に基づき始められたといわれています。
疫病災厄を祓い、海川山野の幸を祈り、人々の生業安定、家内安全、商売繁盛を祈り奉る大切な神事となっています。
猛々しい獅子は幸運を招く
難波八阪神社を象徴するものといえばこの迫力満点の獅子殿!一度見たら忘れられない程のインパクトを受けますね。
東の鳥居の奥から熊鷹眼でこちらを見ています。
この獅子殿は1975年(昭和49年)に完成し、鉄骨・鉄筋コンクリートの殿内で、一部木造でつくられています。高さは12メートル、幅11メートル、奥行き10メートル。
4階建てのビルに相当する大きさで、立っている人と比較するとなかなかの大きさ。
目にはライト、鼻にはスピーカーが内蔵されているそうです。
夏祭りや正月などの期間限定で夜になると目が光り、より一層迫力が増すこと間違いなし・・・!
巨大な口の中にはご祭神の素盞嗚尊の荒魂を祀っており、舞台としても使われています。
正月には雅楽や居合堂、夏祭りでは獅子舞や民踊等各種芸能が奉納されます。
元々この辺りの地域では、昔から獅子舞が盛んに行われており、魔除けの獅子として巨大な獅子の頭を模した舞台が作られました。
大きな口で勝利を呼び込み、邪気を飲み込んで勝運(商運)を招くとされ、受験、就職祈願はもちろんのこと、スポーツ選手等も必勝祈願をするために全国各地から当社を訪れます。
御朱印
結婚式情報
幸運・勝利を呼び込む獅子に見守られ斎行する結婚式
この難波の地で古来より歴史を紡いできた難波八阪神社。
その獅子は大きな口で万民の苦難を飲み込み、勝利を呼び込む。
商売繁盛・縁結びとしても信仰のある難波八阪神社で厳粛な結婚式を挙げてみてはいかがでしょうか。
■難波八阪神社
〒556-0016
大阪市浪速区元町2-9-19
TEL.06-6641-1149
FAX.06-6641-1182
■開門時間
6:00~17:00
■受付時間
9:00~17:00
■交通アクセス
<車>
・国道26号線元町3丁目北 を西へすぐ
<電車>
・大阪メトロ 御堂筋線・四つ橋線 なんば駅より約6分
・大阪メトロ 御堂筋線・四つ橋線 大国町駅より約7分
・南海難波駅より約6分