新郎が着用する紋付袴に家紋を入れるべきか悩む方もいるかもしれませんね。
今回は、紋付袴に家紋を入れるべきなのかについて紹介します。
紋付袴の種類や装いに必要なものも紹介しているため、和装の結婚式を検討する方は是非参考にしてください。
目次
紋付袴に家紋を入れるべき?
家紋とは、家に伝わる文様のことです。
先祖から受け継がれる血の流れをマークに置き換えて表現されています。
鎌倉時代に武家社会に浸透し始め、明治時代になると紋付袴の黒紋入りが一般的になりました。
五つ紋の黒紋付羽織袴が男性の礼装と定められ、結婚式の礼装として着用されています。
紋付袴を購入する場合は、家紋を入れましょう。
ただし、レンタルする場合は紋付袴に通紋と呼ばれるものがすでに入っていることが多いです。
家紋が普及した当時、少数の家や個人が独占できなくなったものを通紋と呼んでいました。
紋付袴をレンタルする場合は、通紋が入っているものを着用すれば問題はありません。
ただし、レンタルの紋付袴に家紋を入れたいという場合は張紋を選びましょう。
張紋は、プリントシールで入れられる紋でレンタルでも家紋を入れられる場合があります。
家紋の由来と歴史
先祖から伝わる家のシンボルマークである家紋は、6000種類あるといわれています。
ただ、どういった経緯で家紋文化が日本に普及したのか分からない方もいるはずです。
家紋の始まりは平安時代まで遡りますが、家紋の由来は諸説あるといわれています。
家紋の由来や歴史を深く理解できれば、紋付袴に家紋を入れるかどうかの判断材料にもなるはずです。
家紋の由来や歴史から、家紋がどのような役割を果たしてきたのか確認していきましょう。
家紋の始まりは平安時代
家紋が日本で始まったのは、平安時代です。
貴族が牛車や調度品に文様を付けて、他の家と間違われないよう区別するために使われていました。
ただ、武家社会に入る江戸時代になると、戦場で敵と味方を判別しやすいように武家も家紋を持つようになったといわれています。
また、大将からどの武将が戦場でどれだけ活躍しているか判断するためにも使われていました。
武家は、それぞれ独自の家紋を持つようになり、武具や着物などさまざまなものに用いられています。
明治時代になると庶民も名字を持つことが許され、一気に家紋文化が広がりました。
紋付袴に関しても黒紋入りが一般的となり、現代も礼服や喪服に付けられています。
家紋の由来は諸説ある
家紋の由来は、諸説あるといわれています。
例えば、牛車に使用されていた文様が転じて家紋になったという説です。
当時の公家たちにとって、自分の牛車を保有することがステータスとなっていました。
一方で、街中には他の牛車が停められていることも多いため、自分の所有する牛車をいち早く見つけるための目印として文様をつけた。
それが家紋の由来だといわれています。
牛車の目印が文様になったという説がもっとも有力だといわれているのが現状です。
しかし、他にも公家が着用していた衣服の文様が家紋になったという説もあります。
新郎が着用する紋付袴は2種類
和装の結婚式で男性が着用する紋付袴は、「黒五つ紋付き羽織袴」と「色紋付き羽織袴」があります。
もっとも格式高い礼装が黒五つ紋付き羽織袴で、準礼装となるのが色紋付羽織袴です。
それぞれ紋付袴であることは間違いありませんが、選び方を間違えると当日に恥ずかしい思いをすることもあります。
状況に応じて紋付袴を選べるように、紋付袴に関する正しい知識を深めることが大切です。
新郎が着用する黒五つ紋付き羽織袴と色紋付き羽織袴の特徴を確認していきましょう。
1.黒五つ紋付き羽織袴
礼装としてもっとも格式高いのが、5つの紋が入った黒五つ紋付羽織袴です。
5つの紋は、背中や両袖の後ろ、両胸元の5ヶ所に白い紋が入っています。
紋付袴をレンタルする場合は、誰でも利用できる通紋が入っているのが一般的です。
黒五つ紋付羽織袴は、江戸時代の武家の略礼装として着用されていました。
しかし、庶民の男性のもっとも格式高い礼装として徐々に定着したといわれています。
紋付羽織袴の黒には「何色にも染まらない」という意味があり、結婚する男性の決意が黒で表現されているのが特徴です。
2.色紋付き羽織袴
準礼装として着られるのが、色紋付き羽織袴です。
黒五つ紋付羽織袴に比べると格が低いため、お色直しで新婦が振袖を着る場合、新郎が色紋付き羽織袴を選ぶと新郎新婦でバランスが取れます。
色紋付き羽織袴は、家紋が三つもしくは一つの家紋が入っています。
カラー展開もバリエーション豊かで、緑色や白色、紫色、茶色などさまざまです。
新郎に似合う色や新婦のドレスの色に合わせて自由に選べます。
ただし、厳かな神社によっては格式が低い色紋付き羽織袴が着用できないこともあるので要注意です。
新郎が色紋付き羽織袴を着用したいなら、事前に神社に確認しておきましょう。
新婦や両親が着用する和服の種類を知りたい方はこちらをご確認ください。
→結婚式の和服|新婦・新郎・両親の和服にはどんな種類があるの?
黒五つ紋付き羽織袴の装いに必要なもの
黒五つ紋付き羽織袴を着用するときに必要なアイテムには、次のようなものがあります。
- 羽織・羽織紐
- 長着・長襦袢・袴
- 扇や草履などの小物
また、黒五つ紋付き羽織袴をレンタルする場合、自分で用意しなければいけないものもあります。
事前に確認しておくことで、和装の結婚式で着用する衣装の準備もスムーズに行えるはずです。
黒五つ紋付き羽織袴の装いで必要なものを確認しましょう。
1.羽織・羽織紐
黒五つ紋付き羽織袴を着用するとき、羽織と羽織紐を用意しなければいけません。
上から着る羽織は黒色で、羽二重(はぶたえ)と呼ばれる滑らかな手触りの絹織物が使われているのが特徴です。
生地は程よく光沢感があるため、着用すると品のある着こなしに仕上がります。
家紋は生地に縫われたものではなく、染めて柄を浮かせる染め抜き紋が正式な羽織です。
羽織紐は、羽織の胸元が開かないように留める、ウエスト部分に結ぶ紐を指します。
羽織紐はさまざまな種類がありますが、黒紋付羽織袴は白色と決まっているので注意しましょう。
2.長着・長襦袢・袴
長着は、羽織の下に着るものです。
羽織と同じものを揃える必要があるので、黒の羽二重と染め抜きの五つ紋付きのものを選びましょう。
長襦袢は、長着の下に着用する下着のことで一般的には白の羽二重が使われます。
袴は、着物の上から下半身に履く部分のことです。
いわゆるボトムスのようなもので、仙台平の縦縞の柄が代表的な柄になります。
仙台平の縦縞は、袴に使用される生地の中でもっとも格式高いものです。
3.扇や草履などの小物
黒五つ紋付き羽織袴は、扇や草履などの小物を合わせることで粋なスタイルが完成します。
新郎が手に持つ扇は、装飾品のひとつで礼装には欠かせないアイテムです。
扇はさまざまな種類がありますが、黒五つ紋付き羽織袴に合わせる小物は白いものを選びましょう。
草履は畳の表面のような畳素材が使用されており、紐の部分が白いものを選ぶのが一般的です。
身長が低いことがコンプレックスなら、身長を高く見せてくれる甲高草履もあります。
4.自分で用意すべきもの
直接肌に触れるものは、レンタルできないため自分で用意しなければいけません。
例えば、黒五つ紋付き羽織袴は、胸元が開いたUネックやVネックの下着を着るのが一般的です。
これらの下着は直接肌に触れるため、自分で用意する必要があります。
また、足には白の足袋を履かなければいけません。
足袋は直接肌に触れるため、レンタルはできず自分で用意することが必要です。
足元は意外に目立つため、購入するときは自分の足のサイズと合うものを選びましょう。
まとめ:紋付袴に家紋を入れなくても大丈夫!
この記事では、紋付袴の種類や装いに必要なものを紹介してきました。
ポイントは、以下のとおりです。
- 紋付袴に家紋を入れなくても問題ない
- レンタルの場合は通紋が入っているものを選ぶ
- レンタルでは自分で用意が必要なものもある
和婚スタイルでは、48,800円から結婚式が行える挙式プランを提供しています。
衣装やヘアメイクもプランに含まれており、新郎が着用する羽織袴のレンタルも可能です。
無料相談会も実施しているため、紋付袴について疑問があるなら一度参加してみてはいかがでしょうか。