LGBTの結婚式は、日本の法律ではまだ認められていません。しかし、各自治体ではパートナーシップ制度を導入するなど、社会的にも理解が進んでいます。
LGBTで結婚式をしたいと考える方にとって、どんな場所で挙式できるのか、どんな服装がいいのかなどが気になるのではないでしょうか。
今回は、LGBTの結婚式に関するさまざまなデータや、挙式が可能な場所について紹介します。挙式を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
LGBTの結婚式に関する基礎知識
LGBTの結婚式について、まずは基本的な内容について解説します。
- LGBTQ+とSOGIEについて
- 日本の法律では同性婚が認められていない
- レインボー婚とは?
- 同性愛の歴史
- 同性婚が可能な国
- 日本におけるパートナーシップ宣誓導入自治体
1つずつ見てみましょう。
LGBTQ+とSOGIEについて
LGBTQ+(エルジービーティーキュープラス)とSOGIE(ソジー)は、性の多様性に関する言葉です。
LGBTQ+とは、以下の頭文字から取ったものです。
- レズビアン(同性が恋愛対象となる女性)
- ゲイ(男性が恋愛対象となる男性)
- バイセクシャル(異性と同性が恋愛対象となる人)
- トランスジェンダー(生まれ持った性別に違和感のある人)
- クイア(またはクエスチョニング)
- プラス(更なる可能性)
そして、SOGIEは以下の言葉の頭文字を取っています。
- Sexual Orientation(どの性を恋愛対象とするかしないか)
- Gender Identity(どのように自らの性別を感じているか)
- Gender Expression(自分の性別をどう表現するか)
なお、LGBTQ+やSOGIEの中にも多様性があります。
日本の法律では同性婚が認められていない
2023年9月時点で、日本では法律上の同性婚が認められていません。戸籍上の配偶者にはならないため、以下のような制限があります。
- 配偶者控除を受けられない
- 財産分与ができない
- 賃貸契約ができない(大家さんによる)
- 携帯電話の家族割が使えない(通信会社による)
しかし、同性婚を禁止する規定もありません。そのため、地方自治体が同性カップルを婚姻関係にあると認める「パートナーシップ宣誓制度」が運用され始めています。
レインボー婚とは?
LGBTQ+コミュニティーは「レインボーフラッグ」という虹色の旗が象徴になっています。この旗は、1978年に米国カリフォルニア州サンフランシスコのアーティスト、ギルバート・ベイカー氏によりデザインされ、現在では世界中で用いられるようになりました。
レインボーフラッグは、全8色で構成されており、以下のものを表現しています。
- ピンク:セクシャリティ
- 赤:生命
- 橙:癒し
- 黄色:太陽
- 緑:自然
- ターコイズブルー:魔術や芸術
- 藍:平穏や調和
- 紫:精神
レインボー(虹色)はLGBTQ+としての誇りを示しています。現在ではレインボーフラッグのデザインも派生され、バリエーションも増え続けています。
同性愛の歴史
同性愛とは、文字通り同性同士が恋愛関係を築くことです。さかのぼると、古代ギリシャ時代や古代ローマ時代にも同性愛は存在し、古代ローマでは実際に同性同士の結婚が行われていました。
4000年の歴史がある中国でも、明から清の時代にかけて福建省南部で同性愛が存在したとされる資料が大量に残されています。現代の結婚と同じように、結納などの婚姻儀式が執り行われていたとのことです。
日本では、江戸時代に男性同士の関係を「衆道(しゅどう)」と呼んでいました。「衆道」が契りを交わす事、つまりパートナーシップについては「念友(ねんゆう)」と呼ばれていた歴史があります。
同性婚が可能な国
同性婚とは、同性をパートナーに持ち、婚姻関係を結んで生活を共にする事です。21世紀初年の2001年4月にオランダで世界初の同性間での結婚が認められたことを皮切りに、ヨーロッパを中心として様々な国で同性同士の結婚が法的に認められるようになりました。
現在では、多くの国で同性婚が認められています。また、同性婚は認められていないものの、パートナーシップが適応されている国も増えています。
【同性婚が認められている国の一例】
- アメリカ合衆国
- オランダ
- スペイン
- ノルウェー
- スウェーデン
- ポルトガル
- ドイツ
- オーストリア
- カナダ
- メキシコ
- 南アフリカ共和国
- ニュージーランド
- 台湾 他
【パートナーシップ法が認められている国の一例】
- イタリア
- ギリシャ
- メキシコ
- タイ 他
その一方で、同性婚が違法とされている国や地域も多くあります。
日本におけるパートナーシップ宣誓導入自治体
2015年度に東京都渋谷区でパートナーシップ宣誓制度が導入され、次第に開始する自治体が増えています。
「みんなのパートナーシップ制度 」の情報によると、パートナーシップ制度を導入する自治体は278です(2023年9月時点の情報)。導入する自治体は年々増えており、県全体で導入している都道府県は13県。今後も増えていくことが予想されます。
また、Marriage for All Japanの「同性婚に関する意識調査 報告書」では全国の40~69歳に同性婚に対するアンケートを行い、72.6%が賛成と答えています。男性のほうが女性に比べて反対する方がやや多かったものの、年代による賛否の差はほとんどありませんでした。
パートナーシップ制度の導入や世間の反応からもわかるように、同性婚を受け入れる動きはどんどん広まっていくと考えられます。
日本で同性婚・LGBTQ+婚が行える神社・仏閣
日本で同性婚やLGBTQ+婚が行える神社・仏閣も多くなっています。ここでは、6つを紹介します。
- 瑶光山 最明寺(埼玉県)
- 高野山 恵光院(和歌山県)
- 鎌倉 御霊神社(神奈川県)
- 西本願寺(京都府)
- 護王神社(京都府)
- 高野山 真言宗別格本山 呑山観音寺(福岡県)
これから結婚式を挙げたいと考えているカップルの方は、ぜひ参考にしてみてください。
瑶光山 最明寺(埼玉県)
住所 | 埼玉県川越市小ケ谷61番地 |
挙式料 | 60,000円~ |
挙式スタイル | 仏前式・前撮り |
対応人数 | 100名(現状50名) |
詳しい情報のURL | https://wakon-style.jp/saitama/sys/list_search_detai/286 |
1262年の鎌倉時代に、北条時頼が建立したお寺です。四季折々の日本庭園をはじめ、写真スポットがたくさんあるので前撮りにもおすすめ。
ペットも挙式や前撮りに参加が可能です。
高野山 恵光院(和歌山県)
住所 | 和歌山県伊都郡高野町高野山497 |
挙式料 | 220000円(お念珠込) |
挙式スタイル | 仏前式・前撮り |
対応人数 | 収容人数30名程(それ以上は要相談) |
詳しい情報のURL | https://wakon-style.jp/osaka/sys/list_search_detai/289 |
1200年前に、弘法大師である空海が五重塔を建立し、毘沙門天や不動明王を安置したことから始まった歴史のある寺院です。宗教宗派を問わず、誰でも挙式できます。
宿坊にはスイートルームがあり、精進料理を味わったり奥の院ナイトツアーに参加したりなど、滞在も楽しめます。
鎌倉 御霊神社(神奈川県)
住所 | 神奈川県鎌倉市坂ノ下3-17 |
挙式料 | 50,000円 |
挙式スタイル | 神前式 |
対応人数 | 20名 |
詳しい情報のURL | https://wakon-style.jp/yokohama/sys/list_search_detai/46 |
平安時代に活躍した武将、鎌倉権五郎景政を祭神とする神社です。紫陽花の名所としても有名な場所です。
線路沿いにあるため、江ノ電とともに写真が撮れるのでレトロな写真を残したい方におすすめ。
西本願寺(京都府)
住所 | 京都府京都市下京区堀川通花屋町下る本願寺門前町 本願寺内 |
挙式料 | 150,000円~ |
挙式スタイル | 仏前式・前撮り |
対応人数 | ~48名 |
詳しい情報のURL | https://wakon-style.jp/kyoto/sys/list_search_detai/277 |
浄土真宗本願寺派の本山である西本願寺。仏前式は誰でも行うことができるため、宗教を気にせずに挙式できます。
世界文化遺産や国宝が多数ある場所なので、結婚式という大切な儀式にふさわしい場所です。
護王神社(京都府)
住所 | 京都府京都市上京区烏丸通下長者町下ル桜鶴円町385 |
挙式料 | 88,000円 |
挙式スタイル | 神前式 |
対応人数 | ~48名 |
詳しい情報のURL | https://wakon-style.jp/kyoto/sys/list_search_detai/58 |
和気清麻呂公が祀られる護王神社は、いのししにまつわる逸話があることから、至るところにいのしし像があるのが特徴的。狛犬ではなく「狛いのしし」の像も置かれています。
挙式後には人力車に乗車できるため、挙式の場所として人気です。
高野山 真言宗別格本山 呑山観音寺(福岡県)
住所 | 福岡県糟屋郡篠栗町萩尾227-4 |
挙式料 | 200,000円 |
挙式スタイル | 仏前式・前撮り |
対応人数 | 30名 |
詳しい情報のURL | https://wakon-style.jp/fukuoka/sys/list_search_detai/287 |
標高が高く、自然が美しい寺院です。春夏秋冬でそれぞれ違った景色を楽しめるので、どの時期に挙式しても思い出深いものとなるでしょう。
境内ロケがあり、前撮りにもおすすめ。仏前式は本堂貸し切りで行えます。
LGBTの結婚式に関するよくある疑問
LGBTの結婚式に関するよくある疑問を2つ紹介します。
- 結婚式の服装は何を選んだらいい?
- LGBTの方が結婚式をする割合はどれくらい?
気になる方は、それぞれの回答をチェックしてみてください。
結婚式の服装は何を選んだらいい?
LGBTの結婚式に服装の決まりはありません。女性ならドレス、男性ならタキシードでもいいですが、その他の組み合わせも可能です。
ドレス×タキシードの組み合わせや、紋付袴など、好きな衣装を選べます。ドレス同士でも、全く同じ衣装にしたり色違いにしたりと、さまざまなパターンがあります。
2人が着たい衣装を選んで、最高の結婚式にしてください。
LGBTの方が結婚式をする割合はどれくらい?
LGBTQの方の結婚式に関する統計データはありません。しかし、NIJI BRIDGEの「結婚の平等が実現したら結婚する可能性のある人数(推計)」によると、同性婚が法制化したら結婚する可能性のあるカップルは246,455人とのことです。カップル数にすると、123,277組。あくまでも推計データですが、同性婚を望むカップルは多いことがわかります。
パートナーシップ制度を導入する自治体も増えており、同性同士が結婚しやすくなっていると言えるでしょう。
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昨今LGBTQについて認知が広まりつつあるものの、まだまだ偏見や決めつけといった固定観念があるのも事実です。
まずは、自分の無意識の偏見に気づき、大切な人と生涯を共にする誓いを立てる時間のお手伝いが出来るように。